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病理のない患者さんに対する精神看護の悩み【精神看護研究サイト】

病理のない患者さんへの対応

病理のない患者さんとは?

精神科看護師ならではの悩みとして頻繁に挙げられるものの一つが「病理のない患者さんとの接し方」です。病理のない患者さんとは、精神障害を及ぼす原因が何も見当たらない方たちのこと。中には精神疾患を理由にずっと泣いてばかりの人、「死にたい」と頻繁に口にする人、何を言っても無反応な人など、それはそれは色々なタイプの患者さんがいます。時に至極ワガママな訴えをぶつけてくるような人も。病理がない分、そのような患者さんたちにどうやって接していくかがプロの医療従事者である私たち看護師にとっての課題です。

病理のない患者さんの特徴

病理のない精神科患者さんには以下のような特徴が見られることが多いです
【精神的に追い詰められていることを必要以上にアピールする】
患者さんご本人にとって、精神的に苦しいほど追い詰められているのは分かりますが、長く精神科に勤めていると、病理的に問題がありそうか、ただ過度に訴えているだけなのかは見分けがつくようになってきます。ただ、今は訴えだけであっても抱えるストレスが改善されないままだと、精神疾患につながって行くことが考えられるため、しっかりと話に耳を傾ける必要があります。
【治療は終わったけど、気持ちが追いついていない】
統合失調症と診断され治療を行い、病理的には完治しているにも関わらず、まだ自分は治っていないと主張する患者さんも珍しくありません。長い療養生活後の社会復帰は精神疾患を抱える方に限らず、病気を患った多くの患者さんがぶつかる壁です。
そんな患者さんに勇気を持ってもらうには近くでサポートする看護師の力が欠かせません。

病理のない患者さんと向き合う看護師の声

・精神科病棟看護師A
「分かっているんです。心の病気は病理が全てではないということくらい。だから病理が認められない患者さんにもできる限り、丁寧な看護を提供するよう心がけています。でもあまりにも理不尽なことを言われたり、ネガティブなことを言われ続けると、私も看護師である前に一人の人間だから、カチンときてしまうことがあります。でも、その感情を顔に出せないストレス…。精神科看護師ならではの大変さですかね。もっと症状の重い方に看護の時間を費やせれば・・・、と思ってしまうこともあります。精神科看護師としてまだまだ修行が足りないようです。」
・精神科病棟看護師B
「私は精神科病棟での経験がまだ少ないため、病理のある患者さんと病理のない患者さんとの違いは正直なところよく分かりません。でもなんとなくですが、病理がハッキリしない患者さんの方がより、病気に対してナイーブになっているように感じます。これこそ『病は気から』なのでしょうか?病理がハッキリしないから完治に近づいているのかどうかも良く分からず、どのように看護すればいいのか悩む日々です」
・精神科外来看護師C
「患者さんが来院された瞬間、病理がありそうな人とそうでない人ってなんとなく分かりますね、長年精神科で働いていれば。そして、自分で『鬱症状がひどい!』とアピールしている人に限って病理が認められないケースが多かったりします。以前と比べ、精神科クリニックが『特別』なところではなくなってきたことから、病理のない『精神患者』が増えてきたのかも知れませんね。

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